「プールで泳ぐ練習は足りている。でもタイムが伸び悩んでいる」――競泳の選手・指導者からよく聞く悩みです。その答えのひとつが、ドライランド(陸上)トレーニングの質です。競泳国体愛知県代表の専属トレーナーとしてサポートしてきたBTC代表・砂田直通が、競泳パフォーマンスを引き上げるドライランドトレーニングの設計思想を解説します。
ドライランドトレーニングとは何か
水中練習だけでは補えない能力がある
競泳の練習は水中で完結していると思われがちですが、泳ぐ動作を支える「土台」は陸上で作られます。具体的には、体幹の安定性・肩甲帯の可動域と筋力・股関節の伸展力・キック動作に必要な足首の柔軟性などです。これらは浮力のある水中では十分に負荷をかけられず、陸上での専門的なトレーニングが不可欠です。
特に中学・高校・大学と競技レベルが上がるにつれて、ライバルとの差が「泳ぎの技術」よりも「身体能力の土台」に現れてくるケースが増えます。同じ技術指導を受けていても、身体能力の土台が高い選手ほど技術の習得が速く、記録も伸びやすい。これは国体レベルの選手を指導してきた実感です。

種目別に見る「陸上で鍛えるべき能力」
自由形(クロール):体幹回旋と肩甲帯の安定
クロールの推進力の源は、体幹の回旋動作(ローリング)と肩甲骨を使ったキャッチ動作です。陸上では、体幹回旋を伴うケーブルプル・プランクバリエーション・ローイング系の種目が有効です。肩甲骨を安定させるセラタスフォワード(前鋸筋強化)や、肩甲骨の内転・下制を意識したYTWエクササイズも定番です。
平泳ぎ:股関節外旋・内転筋・足首の柔軟性
平泳ぎのキック動作(ウィップキック)には、股関節の外旋・内転筋の力と足首の底屈柔軟性が欠かせません。陸上では、ラテラルスクワット・内転筋ストレングス種目・足首の背屈・底屈の可動域ドリルが効果的です。膝への負担が大きい種目でもあるため、股関節から動かす習慣をつける動作教育も重要です。
バタフライ:体幹のドルフィンキック連動と肩の耐久性
バタフライの全身連動(ドルフィンキック)は、腰椎ではなく胸椎の伸展と骨盤の動きで作られます。腰だけで波を作っている選手は、腰痛リスクが高く記録も伸び悩みます。陸上では、胸椎モビリティドリル・グルートブリッジ・スイスボールを使ったドルフィンモーションエクササイズで動作パターンを修正します。
- 自由形:体幹回旋(ケーブルプル)+肩甲帯安定(YTW)
- 背泳ぎ:後方リーチ動作と胸椎伸展の可動域確保
- 平泳ぎ:股関節外旋力+内転筋強化+足首柔軟性
- バタフライ:胸椎モビリティ+グルート主導のドルフィン動作
- 全種目共通:肩のインナーマッスル(ローテーターカフ)強化で怪我予防
国体選手の指導で見えた「伸びる選手の共通点」
陸上と水中のフィードバックループを持っている
国体愛知県代表として結果を出した選手たちに共通していたのは、陸上トレーニングで身体の変化を感じ、それを水中練習でフィードバックする習慣です。「先週の陸トレで体幹を意識したら、今日の練習でローリングが楽になった」という感覚を持てる選手は、成長速度が明らかに違います。
BTCでは、水泳コーチとの情報共有を前提にドライランドプログラムを設計します。「陸でこれを鍛えたので、次の水練ではこの動きを意識してほしい」というブリッジが、最も効率的な成長につながります。
怪我のパターンを陸上で先に修正する
競泳選手に多い肩関節インピンジメント・腰椎疲労骨折(分離症)・膝の腱炎は、多くの場合「動作の歪み」が積み重なって発症します。陸上で動作評価を行うと、「腰だけで泳いでいるパターン」「肩甲骨が固定されたままストロークしているパターン」などが可視化されます。水中では見えにくいこれらのリスクを陸上で修正することが、故障予防の最善策です。

名古屋エリアの競泳選手へ:BTCが提供できること
BTCは名古屋市千種区今池を拠点に、競泳国体愛知県代表のサポート実績を持つパーソナルトレーニングスタジオです。NSCA-CPT・健康運動指導士資格を持つ砂田直通代表が、あなたの競技種目と目標に合わせたドライランドプログラムを設計します。
「今のコーチにはドライランドを見てもらえる環境がない」「記録が伸び悩んでいる理由が水泳技術以外にある気がする」「怪我を繰り返してシーズンを棒に振りたくない」――そんな選手・保護者の方に、まず体験セッションを受けていただくことをおすすめします。
まとめ
競泳のパフォーマンスを伸ばすには、水中練習と陸上トレーニングの両輪が欠かせません。種目別に必要な能力(自由形なら体幹回旋と肩甲帯、平泳ぎなら股関節外旋と内転筋、バタフライなら胸椎モビリティ)を陸上で強化し、水中にフィードバックするサイクルを作ること。国体レベルの指導経験から得た知見を、名古屋のアスリートへ届けます。

